桃鉄

フェイブルマンズの桃鉄のネタバレレビュー・内容・結末

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

映画を観てからプレゼントでもらった汽車をぶつけたい欲求が抑えられないサミーに対して、それを禁止するのではなく、映像に収めることを提案するお母さん、賢いしやさしいし最高と思った。
そして、誰からも撮り方を教わっていないのに、カメラワークを変えて、汽車がぶつかる瞬間の臨場感を出してて、すでに映画監督の才能が芽生えてた。

幸せな家庭が徐々に歪んでいく様子がリアルだった。
でも、誰も悪者には描かれておらず、うまくはいかないけど、それぞれに葛藤や思いがあって、愛があった。その描き方がよいなあ〜。

親も不完全な人間なんやってこと、自分自身も経験して学んだことやから、そんなことを重ねながら観ていた。
お母さんやお父さんに対するサミーの対応がとてもやさしくて、あたしだったらそんなふうに振る舞えないよ…って胸が苦しくなった。

イエス様に祈りまくったのち、勢いよくベッドインするシーンはトリッキーでおもろかった。ホンマにあんな恋人がいたのかな?

転校先の学校でいじめられて、家庭内にも不和が生じてて…て時代が観てるの辛かった。でも最後、高校3年生の記録係をして、いじめっ子に認められた?のはよかった。ユダヤ人だからと見下して執拗に絡んできたいじめっ子も、サミーの「記録映像」を越えた「映画」の素晴らしさと才能は認めざるを得なかったんかな。感動しちゃったんかな。

最後、サミーにアドバイスした映画監督も、最初やさしくないのかな?って思ったけど、やさしかった。
そして、なるほど、なんかよくわからんけど深そうなこと言ってる!すごい!ってなったし、サミーがテンション上がってるのと一緒に自分もテンション上がってた。
最後、カメラの画角がちょっと上になって、地平線が下になったのもよかった。映画監督の教えを守っているね!!

いろいろ脚色してるやろうけど、スピルバーグの映画はやさしいなあ〜!って思った。すき!
桃鉄

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