れーちゃん

フェイブルマンズのれーちゃんのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
3.5
色々な意味で地平線の上と下をいっていた作品。
お母さんが強烈でところどころ狂気の沙汰みたいなシーンがあったと感じたのは私だけでしょうか?
お母さんがピアノを弾く時に長い爪がカチカチ当たる音を危惧して、お父さんとお父さんの親友がお母さんを歯がいじめにしてネイルをカットするシーンが衝撃的すぎてびっくりした。

フェイブルマン少年が撮った海辺の作品を上映するシーンでは、やはり撮る側は孤独だといわんばかりだったが、フェイブルマンのカメラに映ったキラキラ輝く青春の詰まった光景に涙してしまった。

ロッカー前のシーンがとても良かった。写り込むものは良くも悪くもリアルに映し出してしまうということ。映像を見たものは自分が思った通りの受け取り方をするとは限らないと言うこと。良くも悪くも捉えられてしまうという映像体験の恐怖。
冒頭の少年時代のフェイブルマンズに通ずる体験だったのではないだろうか。

ご両親が亡くなってからこの作品を作ったと言う意味がわかったような気がした。
れーちゃん

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