このレビューはネタバレを含みます
スピルバーグの自伝的映画と聞いたので、映画少年のほのぼの奮闘記と思いきや、まさかのNTRもの
自分の母親が女の顔をしている映像を編集する気分は一体どういうものなんだろう
離婚の家族会議のシーンで鏡に撮影するサムの姿が幻視されたのは、こんな場面でもカメラを回したくなる、まさに芸術に魅入られた少年の心情を表しているようで印象的だった
「芸術はお前を食いちぎるライオンの口だ」(叔父さんのセリフ)
フェイブルマンズというタイトル通り、家族の物語を重厚に描いていて、見ごたえはあったが、最終的に「みんな生きたいように生きればいい」というきわめてアメリカ的な個人主義のお話で、いまいち共感はできなかった
ラストシーンのジョン・フォードを演じているのがデヴィッド・リンチだったとは
私小説的な映画だから特段カタルシスを感じるような構成ではないが、最後にリンチが全部持って行った感じ