私の私的な感覚では「ふつうの」家族の日常のエピソードをしっかりと描いた作品。
スピルバーグの自伝的作品と謳われていたので、もっとスペシャルな家族と奇人サム（スピルバーグ）なのかと勝手に思っていましたが、いい意味で裏切られました。どこまで事実かはわかりませんが、リアルでしみじみ想う映画です。
とてつもない遭遇があるわけではないけれど、人生と人生が交叉する、交錯するからこそ生きることに意味があることを再認識。
それに加えて、スピルバーグは確かに、ああ、この両親の子だなあと思いました。
映画と家族。
音楽とコンピュータ。
情熱と安静。
なんとなく対比しているようだけど（まあ実際、どちらかに偏ることも多いんだろう)、それと相手をリスペクトしないということは違うし、
母親似といいつつも、スピルバーグの両面ですよね。
地平線が上にあるとおもしろい絵になる。下にあるとおもしろい絵になる。
映画制作スタジオからの彼の後ろ姿… その先に「未知との遭遇」が、「ET」が、「カラーパープル」があり、「ウェストサイドストーリー」があると思うと万感胸に迫ります。
ありがとう、サミー。
ありがとう、スピルバーグ！
