ブラックチェリープラム

悪は存在しないのブラックチェリープラムのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

見るものに答えを探させる映画。

シンプルに考えれば、巧と花の親子は鹿だったのだろう、もしくは、自然と人と分類するものではない存在だったと言ってもいいのかもしれない。
8歳の花が森の中を1人で帰ることや巧が半矢の鹿について語るのもそういう存在であれば理解できる。木立の中で親が子に木々について教えるシーンなどは「バンビ」を思い出す。
村にグランピング場を計画する芸能事務所か、銃声の持ち主か分からないが、巧らが維持してきたこの世界のバランスは壊れてしまった。芸能事務所の2人が決して根っからの悪人に描かれていないのも、自然界の摂理には、正義や悪はなく、バランスだけがあるからなのかも知れない。

最後のシーン。銃で撃たれたのは母鹿だろうか。
巧と花の姿は深い森の中に溶け込んでいった。