フェイブルマンズのchanmasuのネタバレレビュー・内容・結末

これは凄い。スピルバーグが自分の話を語っている訳ですがとても丁寧で手堅い傑作になっている。スピルバーグそもそもあんまり観たこと無いのでこんなに静かで良い映画作れるんだと驚いた。地球最大のショウの映画と車が激突するシーンに魅せられた少年。理解ある母親がカメラを買い与え、少年は映像を撮ることにハマっていく...みたいなあらすじで結構ファミリームービー。画面上では中流のそこそこ裕福っぽくやはり文化資本か、と思う。親父は仕事人間だけど母親を崇拝するほど愛している。母親はピアノが大好きだったが嫁いで夢を諦める。で、母親は実は不倫をしていてそれをフィルムの編集中に気付いてしまう。そして離婚。結果的に映画作りのせいで家族はバラバラになってしまう。
しかし彼にとって映画作りは家族よりも大切で、彼は映画の道を選ぶ。母親と同じ好きな物には目がない性格。勤勉な所は親父に似ている。卒業ムービーではカースト上位のいじめっ子を虚像のように仕立て上げ意図せずとも傷つけてしまう。フィルムは嘘をつけないから編集してる途中で不倫に気付いてしまうし、編集すれば事実を誇張したりして嘘をつける。映画作りは苦しいと何度も言及される。それでも彼は楽しくて、映画を無心に作り続けることを選んだ。映画作りに対する解像度が半端じゃなくて圧倒されました。