いちじく

フェイブルマンズのいちじくのネタバレレビュー・内容・結末

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

サミー・フェイブルマン(ガブリエル・ラベル)が映画監督の夢を持ったが母(ミシェル・ウィリアムズ)と父の友人(セス・ローゲン)の浮気に気付いてしまい映画撮影をやめてしまう。
卒業行事の映画を撮ることになり彼女にふられていじめっ子と和解して大学に進学。
両親は離婚して大学生活も肌に合わずにストレスフルだったところに映画関係の就職が決まり、ジョン・フォード監督に会わせてもらって感激する。

ニュージャージー州 → アリゾナ州 → カリフォルニア州


どの程度実話なのか。

終始うっすら気持ち悪い。
自己愛の強い登場人物達が表面的には円満にふるまうが、ストレスによって心に変調をきたしてしまい自己の欲望を満たせる環境へと流されるように収まっていく。
自分に適した場所に収まることへのドラマ的なカタルシスがなくて満足感があまりない。どちらかというとコメディ寄りで、情緒を感じるほどリアル志向な物語というわけでもない。
子供乗せた車で竜巻に突っ込むような自己中+情緒不安定な母親がそれにふさわしい出来事を受け止めるわけでもない。
長い映画見終えた疲労感を満足感に誤認しそうではある。

映画監督を目指す少年に母の不倫問題が付きまとい、大伯父・いじめっこ・
キリスト教徒彼女のドラマが軽く添えられる。

祖母の死、両親の離婚を俯瞰で観察してしまい、どう表現に活かすか考えてしまう描写。
これって芸術家としての才なのか、現実を受け止める過程でのバグなのか、自分の薄情さへの言い訳なのか。

母の不倫が発覚。映像を長時間繰り返し観察していると見えてきてしまうモノってあるよな。

映画撮影のワクワクは伝わるけれど、家族問題と交互に進行して気持ちが揚がりきらない宙ぶらりん状態の2時間30分。
最後まで引き込まれて見た気はするので、楽しめはしたのかな?

娘達は母に付いてったの?なんで?
魅力的に撮った同級生も、道化として撮った同級生も傷つく。エンタメ表現・創作活動って暴力的。
ラストは慌てたようにアイラインを下に置く。
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