スピルバーグ監督の自伝もの。
家族との関係に悩み、自分の居場所探しに葛藤する主人公の酸いも甘いもな経験が描写されています。
そんな中で、映画を作っていく過程がとにかく楽しそうで、最後は結局はきっと映画に救われた人なんだなあと思ったりもしていました。
現実の出来事ベースだとしっかり感じさせられる物語で、劇伴が静謐な様子は一見、地味な印象も受けました。
ただ、技巧を凝らしたカメラワークと編集が冴えていて、この映画を非凡なものにしていたと感じます。
スムーズなトラッキング、巧みな構図の取り方、光と影のコントロールもすごい。
やっぱりスピルバーグ監督は、映像作家なんですね。
最後のシークエンスは映画好きへのご褒美みたいな展開が、たまらなかったですし、ラストの遊び心にも、グッときました。
自分は、スピルバーグ作品に対して、サメやら恐竜やらの、エンタメ作品ばかりに触れてきただけの、にわかな者でして
この機会に彼の他のジャンルも掘り下げていったあと、またフェイブルマンズを観直してみたいです。
2025年 14本目