都部

マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイトの都部のレビュー・感想・評価

2.5
作品としての面白さは致命的に欠けているという点は否めないが、『ブレイド』を始めとする闇の世界の住人をMCUに登場させる為の土台作りも兼ねた短編と考えると企画としての意図は呑み込める。

古典的恐怖映画の演出や劇伴に対する再現性を発揮しながら、独自のテンポ感で進展していく物語は興味を持続させるに足るそれだが、その為に画面をあえて白黒(モノクロ)にするのは安易さを感じてしまう部分の方が大きかった。何事も白黒にすれば取り敢えず画映えするため、だからこそ現代の作品でそれを扱う際は細心の注意が求められるわけなのだが本作にはそういう狙いは見られず、その妙を活かしているとも言い難い。

記号的な役回りを演じるに過ぎない登場人物達の言動は月並みで、語り部であるウルフのそれも大した愉快さ/魅力を発揮しているとは到底言い難く、キャラクターコンテンツとしても微妙な出来だったのが厳しいかなといった次第。マンシングのビジュアルは最高だが、比較するとウルフの変身によるビジュアルの変化は前述したモノクロにより背景と同化しかねないデザインで、観客のそれとのファーストコンタクトという点でも感動を取り零す演出に引っ張られているように感じられた。
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