気づいているけど知らない振りをしたまま生きていく人生と、気づかされてしまって無理やり事実に向き合わされてしまった人生は、どちらが幸せだったんだろうか。
「あんたに出会わなければ…」って言葉は、きっとある種本音だったんだろうな。
気づいていたから、「自分がいちばんだったらいい」って結論で無理やり自分を納得させてたのにね。
桃さんの出現は、莉子を救ったのか地獄に落としたのかどちらだったんだろうか。
自分は、地獄に落としてしまったんじゃないかと思う。
莉子ちゃんの元彼のエピソードを聞いて、尚更そう思う。
都合の悪いことに目を背けながら続けていく恋愛が、もうできなくなってしまった。
これは良いことのようで、実は悪いことなんじゃないか。笑
城定定夫は良い。
こう、なんというか、登場人物たちが真剣に演じているシーンにシュールな笑いが挟まる。
今泉監督とも似てはいるんだけど、城定監督作品の方が、醜い人間が映ってる。
綺麗事じゃない欲がチラついてて、なんかこっちのほうがいい。
