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蛇の穴の堊のレビュー・感想・評価

蛇の穴(1948年製作の映画)
3.9
「大好きだった大切にしてた人形を子どもが粉々にしてしまう」映画に弱いので精神にキた。というか本当にドキツい精神病院がクリシェ扱いされる前の妙に生々しい表現と弛緩しきった展開がエグいので、ダウってるひとは本当に見ないほうがいいかもです。そのあと50年映画特有のサウンドトラックも無しに静かに泣き声だけが響き渡る(ラングの『M』みたいな雰囲気)。
満員電車みたいな精神病院とダンスパーティー狂いすぎ。本当に出てくる「蛇の穴」もマジですごい、ギリアムの『12モンキーズ』で参照されてそう。『ザ・ウォード』のダンスも思い出した。精神病院映画多っ…。
フロイトの写真立てかけて精神科学サイコー!展開萎えるけれど、へんに唐突すぎて外の世界こそが精神病院な不穏さを感じ取れなくもない。

いわゆる一辺倒のフィルムノワールかマニエリスム方面一直線に二極化している時代のまさにマニエリスムの極地みたいな映画by吉田広明
踊る患者たち→絶望の影は『わたしは殺される』でもやってた。もちろんどんがらがっしゃんも。
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