このレビューはネタバレを含みます
山に入って、やっと凜は穏やかに暮らしているようにみえた
村にいて、人の中にいても蔑まされて
村人は、汚れ仕事を押し付けているというのに、八つ当たりする
自身の苦しい生活、うまれたばかりの赤子を口減らしのために手にかける辛さ
それを、凜や凜の弟に向けて吐き出す
そうしても良い相手だというように
そんなはずはないのに
祈祷師かなんかの老婆が適当なことを言って
村人はみんなそのまま信じて生贄を探す
村長も側近のでんでんも、自分の腹は痛めない
火を点ける時だってそうだ
自分の手は汚さない
凜、凜の弟、行商人になり馬を引く昔なじみの３人がまともに見える
ただ、他の村人だって、豊作で暮しに困っていなかったなら、こんな風にはなっていなかったかもしれない
生活が豊かだったら、他人を思いやりながら暮らせたのかもしれない
凜の父親も随分と酷いけれど
祖父の代からの罪？火事？のツケを払い続けてこうなったのかな
(放火でないなら、火事は事故なんじゃ…と思ったけど、不注意も罪ってことなんだろうか)
凜の、真っ直ぐな眼差し
自分に余裕がある時にではなく、ギリギリの時にその人の本性が出るのだとしたら
凜はすごい、と思う
