WillowMarrais

aftersun/アフターサンのWillowMarraisのレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
4.8
ほんと沈痛な映画だった。
隠された感情を暴き出していくカメラは
残酷にも嘘をつかないと言ってるかのように。

言わなかったこと、言えなかったこと。
父と娘という繋がりでなくとも
人間関係でもそういうことはある。
他人のそれに気づかなかったことに対する無力さ。
それを自責しても仕方ないけれど
目の前にいた人は「真実」だったかどうかが揺らいでくる。
記録というものは記憶以上に説得力を持ってくるし、それがなければ記憶だけが拠り所になることもある。


この作品は父と娘のあの夏に対する当時の想いの違いがより辛さを増している。
子供から大人になって、酸いも甘いも経験したあとだから分かること。
「Under Pressure」が余計に辛い。
最後の踊りが本当に最後になったのかな。

とにかくやるせなさと時間の残酷さと
愛おしい日々への眼差しとが混ざって
茫然自失だった。
WillowMarrais

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