このレビューはネタバレを含みます
タコ泣きした。終始美しく、脆かった。
無邪気に良い人と言われて誕生日をお祝いしてもらう時の心の切なさとか、
あまりに健気なものを見た時に、自分の情けなさがこみあげてしんどくなる感じとか。
逆に子どもの頃、少し大人の世界に足を踏み入れた時に自分は蚊帳の外だと感じてしまったり親に申し訳ないと感じたりした記憶も蘇る。
親として生きることと、1人の大人として生きること、その両方の反りが合わなくなっちゃう一瞬の脆さとか。最後、クラブに溶け込んでいくところかなり印象的だったけど、救いのある終わり方な気がした。
故郷の海へ続く道とか、上京した時の新幹線とか、昔両親と行った海外の思い出とか、思い出したら少し心がギュッとなる眩しい心象風景の全てが込み上げて、その対比で大人になった自分の情けなさも込み上げるんだけど、それで良いのよと言ってもらえる気がした。
心がギュッとなる、っていうのは映画の醍醐味だなと心底思った。誕生日の直前に見て良かった。
