佐藤けんちゃなよ

aftersun/アフターサンの佐藤けんちゃなよのレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
3.0
結構監督のインタビューや、色々な方のレビューを見たけど、全然違う感想を持った。それほど余白がある映画。
同じ空を見上げるのが幸せっていう娘と、下を向いてる父親。
見たくもない老人のダンスや、歌を強制的に見させる父親。
だけど娘がやりたいことには、全然参加しない父。

最後のシーンでは父に期待しなくなり、道化を演じることに一種のあきらめのような感情さえ見えた。

おどけてれば、あなたは楽しむでしょ。私はこんなにあなたのために嘘をついて演じてるのに、パパはまったく嘘をつかず自分のことばっかで演じない。

カメラを向けられることは、過去に残るから、演じる娘と、切り取られることに嫌気がさす父親。

カメラを向けることは、実は相手の目を見ないことでもあり、自分が見たいものしか残さない。
そこはとっても考えさせられた。

自分らしさを貫くことと、エンターテイメントの境がわからんくなり、自分とはなんだっと悩み苦しむ父親。

過去の過ちを忘れたっていい。
なんでもいいじゃない。誰を愛したって、嘘をついたって。幸せになればいいじゃない。
って娘は父親に言語化できないけど、伝えたかったんじゃないかなって思った。

トラウマや、記憶の定着、レッテルからの解放、ごちゃごちゃの自分を受け入れることがテーマなのかな。

って思ったけど、監督のインタビューを読むと全然違う(笑)。まぁだからこそ色々と考えたり、考察の余地がたくさんあるから面白い映画か(笑)。