このレビューはネタバレを含みます
あたたかくてきらめいていて、どうしようもなく悲しくて苦しい。ひとつひとつのシーンやセリフを思い出しては涙が出そうになる。
説明されない余白が多いけど、休暇のあと、カラムは自ら命を絶ったのだと思う。あまりにも美しい愛と幸せに触れたからこそ、終わらせてしまいたくなったんじゃないかな。
なりたい大人になりきれない不完全で不安定なカラムに共感し、大人の抱える闇をぼんやりと感じながらどうすることもできなかった純粋な子どものソフィにかつての自分を見た。
誰も大切な人のすべてを知ることはできないし、どんなに自分のことを想ってくれている人に対してでも、すべてを曝け出すことはできない。どうすれば良かったのかわからなくて胸が締め付けられる。
だけどこの作品は苦しいだけではなくて、小さなやり取りの中の愛情や、生きていく上でのお守りのような言葉がたくさん詰まっていた。