国家権力

aftersun/アフターサンの国家権力のネタバレレビュー・内容・結末

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

11歳の少女ソフィと、離婚し離れて暮らしていて、もうすぐ131歳になる父親カラムの、夏休みに二人で訪れたトルコ旅行のお話。

父と同じ年齢となったソフィが旅行を撮影したビデオを見返して「あの時父親は何を考えていたか」と思い返す話とは軽く紹介されていたが、本編を見ただけでは、それすらはっきり描かれていない。

『怪物』や『さがす』的なミステリかなぁと軽く見てたが、父親が何を考え、その後どうなったかははっきり描かれず、所々不穏な映像や演出が入るものの、ぱっと見は、良いお父さんと可愛い娘のバケーションで、大きい事件が起こるでも無く、はっきり言うとホームビデオ延々見させられてるだけの退屈な映像。

正直、まだ見た直後で咀嚼しきれていない。
どエンタメなマッドハイジと同じ日に見たので頭がパーになっている。

カラムが腕を折っていたのも自殺未遂によるもので、事業に失敗し、経営していたカフェを畳み最後に残った僅かなお金を全て娘との思い出作りに使い切って自殺した、娘の前では良い父親を演じていた鬱病のダメ男、って話なのかもしれないし、そうで無いかもしれない。
カラムはソフィと永遠の別れを覚悟してるようにも見えるし、そうでないようにも見える。
娘の期待に応えてカラオケをするができなかった夜、自己嫌悪から入水自殺を図ったように見えるし、そうでないようにも見える。

ちょいちょい幕間に挟まったり、最後にソフィと別れた後にカラムが吸い込まれるように入った扉の向こうにあるストロボダンスは今だによくわからない。
カラムの苦しみを表したもの?

とまぁ色々「あれは何だったんだろう」だの「どういう事を考えてた」

自分も、記憶の中の親と同じ年齢になるぐらいには歳を重ねて来た。
「自分と同じ年齢の時の親は何を考えていたか」
なんて考えなくもないこともないが、真剣に向き合った事はない。
これ見て「考えてみるか」となるような素直な人間でも無いが、この映画の事を考えると、連想してつい考えてしまう。
そう考えると、家族愛全面に打ち出したくどくどアメリカ映画よりかなり高度なことしてるかもしれない。

やばい、あの時の夏休みの思い出がフラッシュバックして来た、マッドハイジのことを考えるんだ! チーズ! チーズ!
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