Theylivebynight

aftersun/アフターサンのTheylivebynightのレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
4.5
4.4は低いのではないかと思うほど、途轍もなくよかった。ビデオカメラ映像は、やや反則技だと思って、この数字にしたが、上映中の情動は強烈に作用を受けた。見直して、再発見をすると変化するかもしれない。私の評価など、どうでもいいことはわかっているのだが笑。

いったい、確かな映像とは、映像の確かさとは、何だろう。その問いは、今、生きるなかで見ていること、見えていること、見えているのに認識できていないこと、に通じるだろう。確実に目の前で起こっていて、そう認識できていること、だけではなく、改変も大いにありうる記憶や想像も、ときには同じような確かさを持って、混ざり合いながら、人間は生きている。だとしたら、今見えていると認識できている、これは何なのか。
そして、視野の外にあるものは、見ることさえできない事実。どれだけ目を凝らしても見えないものがある事実。レンズに映し出されることと、映し出されないこと。映し出されるものも不確かかもしれないが、映し出されない、もっと不確かなものを想像するための、手がかりにはなるのかもしれない。それは、誰かの内面や感情や、神様かもしれない。世界の過去や未来かもしれない。自分自身かもしれない。どんなシーンを、どんな視点で、どんなレンズで撮影し、構成し、映像がかたちづくられたのか。これは、何度でも何度でも観なければならない映画だ。
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