こみなも

aftersun/アフターサンのこみなものネタバレレビュー・内容・結末

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

終始お父さんに感情移入して観てた
なんか本当に自分を見ているようだった
俺は日本人だし25歳だし子供居ないけど、なんかもう自分を見ているとしか思えなかった

内面の苦しさを、外に出せないよなぁ ものすごく、分かるなぁと思った
それが娘だったら尚更だと思う
でも、苦しい人生の反面、娘と居ることは本当に幸せな時間なんだろうことも節々から伝わってきた(書きながら思い出すだけでも涙が出そうです)

最後の方で「踊るのが大好きさ」って言ったのが、凄く嬉しかった
あのお父さんが、何かが好きと自分の感情を吐露するのが嬉しかった(それが娘を笑わせるためのジョークであっても、彼が普段見えないようにしている自分の心を表現した事実がそれだけで嬉しかった)
言わない心が多く画面に映ってたと思うから、心を言う場面に感動しちゃったのかもなぁ

観てる時は、3つくらいラストを勘繰っちゃったんだけどそのどれでもなくて、でもこれが1番良い形だなと思った
①自死の事実が語られる
②あのクラブが、マンチェスター爆発事件(に模した)ものだと語られる
→統計の数字でしかない死者それぞれに人生があって、テロはそれらの文脈を全て無視する行為なんだよ的な話に繋がる
③お父さんが乗る帰りの飛行機が911
→繋がり先は②と同じ
④死すら、描かない

「ちょっっと、語らなさ過ぎではなかろうか」と観てるときは思ったんだけど、夜ご飯食べてる辺りからじわじわと良い映画だったな…これが完璧な形だな…となってきて今もうこの映画のことしか考えられなくなっちゃった

記憶と心に残る、良い映画でした
お父さん、俺みたいだと思ったけど、
俺は生きる、生きたいと今はちゃんと思います

追記)
早稲田松竹にて2回目を観たので追記。
開始5分で泣いてしまった。
1回目と比べて、泣けたポイントが違うのが驚きだった。特に響いたのはラスト、ソフィを空港で見送ったあとお父さんがクラブへ歩いていくシーン。
あそこ、お父さんが自分の足で、自分で戸を開けてクラブに入っていくことが、すごく意味があるんだと思った。そこでは死を選択した事実が映されていて、だからこそ歩いていって欲しくなくてエンドロール中本当に涙が止まらなかった。
あと、夜の海へ歩いていくシーンとよく考えたら重なってる。
本当に、言葉で言い切るのが難しいほどいい映画だ〜
こみなも

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