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aftersun/アフターサンのよーのレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
3.7
11歳の夏の思い出が、あの頃の景色が、今の自分にこんなにも影響を及ぼすなんて、彼女は思ってもみなかっただろうな。
タイトルであるアフターサン、日焼け後の保湿ローションを意味するようだが、日焼け=死、保湿ローション=追憶・理解とすると、物語がすとんと自分の中に落ちてくるような感覚があった。
父が病みながらも娘の人生に少しでも寄り添おうとする様は、常に誰かの想いの上で人は生きていて、それを裏切らないように丁寧に生きないと、という気持ちにさせられる。でなければ、いざという時に本当に欲しいものは手に入らないし、しっぺ返しは必ず来る。
最後の見送りシーンの父親の顔を想像すると、フィルムの粗さと娘の表情に胸が締め付けられた。
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