Nove

葬送のカーネーションのNoveのレビュー・感想・評価

葬送のカーネーション(2022年製作の映画)
3.7
棺とともに、ひたすらトルコの土地を歩く老人と少女。
時に車、トラクター、トラックに乗せて貰うが、予期せぬところで降ろされる。
老人は死した妻を故郷に埋めるために、紛争中の国境を目指していた。
これは死者との約束であり、守らなければならないことである。
それが社会の決まりとは、違っていたとしても。
両親を亡くした少女は、祖父について行くしかない。
説明もされず、よくわからない状況ではあるが、他に逃げ場はない。
少女と同様に観客も、このモヤモヤとした、よくわからない状況を体験する。
全ての人間は死ぬ。死ぬまでは、不満があり怒りがあっても生きていかなければならない。
生と死について、この旅を追体験することで考えされられる。
なんで自分はここに居て、この感情にあるのか。
それは、生きているからであろう。
トルコという土地は、そんな狭間を観せてくれる。
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