香港そのものの変化を、ネオンが消えていく街並みに重ねる。失われた夫であり父の存在もまた香港そのものが重なる。若い頃からの夢を叶えるべく、コツコツと積み上げて来たものが、時代の流れの中でガラガラと崩れ去る。せめて、その記憶を記録として残せるのが映画。作品自体が意義。
アナスタシア・ツァン監督、流石に初の長編ということで、物語としては冗長かつ展開も予測できるし、取り立てて魅力的なカットも無いが、シルヴィア・チャン、サイモン・ヤムというベテラン名優を魅力的に映せているだけで力量は感じる。ネオンの作り方を知れたのも良かったし今の香港に想いを馳せる。