映像観し者

燈火(ネオン)は消えず/消えゆく燈火の映像観し者のレビュー・感想・評価

3.0
劇場で鑑賞。
法改正でネオンが禁止された香港において、亡きネオン職人の遺志をたどるというのは、為政者に振り回される香港という土地そのもののノスタルジーなのだろうかと想像する。
香港の街にネオンはわずかに残るが、それも徐々に姿を消していく。しかし技術は継承され、姿を変えても思いは継がれていく。それは奪われていく市民からのささやかで偉大な一つの抵抗の姿でもある。
電灯、炎、LED、ネオン、と様々な種類の灯りが効果的に画面に映り、その使い方が映像として面白い。
孤独な青年との疑似親子関係、ぎくしゃくした実の娘との関係修復、と美しく微笑ましいシーンが多数。なんとなくテレビ映画っぽい楽しさがあった。
シナリオにおいては終盤の諸々の解決がちょっと主人公に都合がよくて、子供たちに老人をケアさせすぎな気がした。
エンドロールには実在のネオン職人とその作品が映され、これがとても良い。
娘役の役者が素晴らしかった。
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