こんなことを今さら言うのもどうかとは思うのですが、マルチバースもの、とにかく好きじゃないです。
アメコミの人気シリーズを四方八方に伸ばして延命するための、都合のいい方便にすぎないものに、ああでもないこうでもないと真面目に向き合うの、なんだかもう食傷気味なわけです。
平行宇宙に自分にそっくりな分身が何十何百と存在する、という理屈。
まあそらそうでしょうね、辻褄合わせが要らないから楽だもんね、とここ数年のスーパーヒーローものをちょっと冷ややかに眺めて、いい加減飽きている。
というところにデッドプールの最新作「デッドプール&ウルヴァリン」。
1と2のファンとして大変楽しみにして見に行きましたが、これはマルチバースものであり、X-MEN シリーズへの鎮魂歌。デッドプールは出てるけど「デッドプール映画」ではない。そういう感じ。
駄作を作ろうと最初から思って映画を撮る人なんて絶対にいないけれど、事情があってうまくいかないで迷走混迷、どうしようもない結果になった作品やシリーズは数多ある。でもそれ、弄って楽しいかな?尻拭いをデップーにさせておしまい、っていうの、ちょっとご都合主義に過ぎやしませんか。
デッドプールの楽しさって、そういうところにあるんじゃなくて、ダメヒーローが大切な仲間や恋人を守ろうと縦横無尽に走り回る姿(不謹慎多め)にあるんじゃないでしょうか。
デッドプールとウルヴァリンの相性はいい。でも「マルチバースはもういい!」またいつか、ユキオとかブラインドアルとかドミノとかドーピンダー(笑)とかとデッドプールがボイドじゃない世界で大暴れするのを待ちます。