キャッチ30

リオ・ブラボーのキャッチ30のレビュー・感想・評価

リオ・ブラボー(1959年製作の映画)
3.9
監督のハワード・ホークスと主演のジョン・ウェインは『真昼の決闘』で描かれた保安官の姿に不満だったらしい。そのアンチテーゼとして製作され、完成した本作は一級の娯楽活劇となった。

ウェインが扮するのは保安官のチャンス。チャンスはジョーという殺人犯を捕らる。兄のネイサンは弟を奪回しようと手下を使って街を包囲する。チャンスは連邦保安官が来るまでの間、アル中のデュード、足の悪い老人スタンピー、早撃ちのコロラドと共にネイサン一味と闘う。また、女賭博師であり踊り子のフェザーズがチャンスに絡んでくる。

メインプロットは一直線だが、サブプロットは豊富だ。中でも惹かれるのが、チャンスとデュードの友情だ。デュードは女に捨てられ、酒に溺れ、一文無しになる。チャンスは兄弟同然の彼を救おうとする。一方、チャンスはフェザーズとの関係に踏み込めない状態が続く。

ホークスは西部劇に男の友情とロマンスと歌とアクションの風味を加える。歌手でもあるディーン・マーティンとリッキー・ネルソンが歌う「ライフルと愛馬」は大らかさとユーモアを感じさせる。まさに、一級の娯楽活劇だ。