KnightsofOdessa

カイマックのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

カイマック(2022年製作の映画)
3.5
[タバコは下に投げ捨てられ、銃弾は上に昇る] 70点

『ビフォア・ザ・レイン』以降のキャリア形成に苦しんでる感じは、『ノー・マンズ・ランド』以降のダニス・タノヴィッチに似ているなぁと感じるミルチョ・マンチェフスキの最新作。群像劇と聴いていたが、結局男一人女二人の三人組が二つと小さくまとまってくれたので、人物把握の苦手な私にはありがたい。片方は、"妊娠したくないけど子供好きな夫のために子供はほしい"という我儘なTVキャスターの女が、軽度の知的障碍のある従妹を無理矢理代理母にするという話。もう片方は、デニーロのモノマネが好きな変態警備員のおっさんが、カイマック売りの美女と不倫してたら妻も加わるという話。金持ちな前者と庶民の後者は何故か隣同士で、最終的に微妙に交わるわけだが、別に交える必要はなかったように思える。とはいえ、後者の女二人が室内では理由もなく全裸だったり、往年の東欧ユーゴ映画ぽい懐かしい感じがして、居心地は良かった。代理母ドスタ役の女優さん、可愛いなぁと思ってたら、『You Won't Be Alone』のサラ・クリモスカ!とクレジットのド頭に出てきて思わず膝を打った。初日のプレミアに併せて来日してたと知って膝から崩れ落ちた。
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