このレビューはネタバレを含みます
ゲームクリエイターのフリアンはとあるパーティーでディアナと言う女性と出会い好きになる…が彼は誰にも言えない秘密を抱えていた…と言うお話。序盤から、内気な主人公が恋に落ちるがウジウジと進展せず、そこを淡々と描くので最初は冗長に感じつつも、展開と語り口の面白さに次第に引き込まれた、不穏で粘着質な感じ。中盤以後の話の転がり方も面白い…が…作品の根底にペドフィリアがあるので抵抗ある人はあると思う。主人公が好きになるディアナの外見が華奢で小柄でボーイッシュ…少年の様に見えるのが何んか辛い。ただ、劇中にも出て来る、プラド美術館の「我が子を喰らうサトゥルヌス」程のおぞましさ怖さは無く、終始語り口が静謐なので内容の割にはサラッとした印象。自分の中にある抑圧された怪物に飲み込まれてしまった男の悲しい物語だと思うが、ラスト個人的には、ここで終わったら良かったのに!と言う気持ちでした。
「誰も傷つけてない。リアルじゃない」
