【年輪】
アクタン・アリム・クバト監督の中央アジアに位置するキルギスが舞台の作品
〈あらすじ〉
音信不通になっていた父ザールクを見つけ、村に連れ帰る息子・クバト。しかし、父は記憶と言葉を失っていた。クバトはそんな父の記憶を呼び覚まそうと、家族の写真を見せたり、いろいろな所へ連れて行ったりする…。
〈所感〉
珍しいキルギスの作品ということで興味本位で鑑賞。作中のキルギス人は日本人になんとなく似てるから親近感がある。父ザールクが無事ロシアから故郷に帰って来たにもかかわらず、村人達の生活はさして変わらず、ゴミだらけの村、イスラム教を熱烈に信仰する人々、昼間から酔っ払う人々と日常の軌道がそのままであることに疎ましさすら感じる。そんな最中、ザールクは毎日毎日一言も喋らず黙々とゴミを拾い続ける姿が印象的。記憶が消えても記録は消えない。樹齢何千年の樹木のようにそこで生きた時間の数だけ年輪は確実に刻まれ続ける。そんなことを考えた。ただ、ちょっと無音すぎて退屈気味。