天を仰ぐ、ほとばしる汗、変形するイケメン俳優たちの顔面。
若い頃に沢木耕太郎氏の作品に感銘を受け、時を経て氏の新聞連載小説を映画化した瀬々監督。
その監督が「カット!」という言葉を言い出せなかったという試合のシーンが、臨場感たっぷりで心臓がバクバクしてしまった。
横浜流星さんの徹底した役作り、どれだけ体を鍛え絞ったのだろう。
この役がこれだけハマる人は他にいないだろう。
なんとなく既視感を覚えたのは、岸井ゆきのさん主演のやはりボクシング映画『ケイコ、目を澄ませて』
と若干ストーリーが被るところがあったからか。
133分という本作は試合のシーンにたっぷりと時間を使っているが、翔吾と佳菜子、佳菜子と翔吾の母の関係の深まりがよく分からず、やはりもう少し知りたいと思った。
それでもボクシングに明るくない私がボクシングシーンに熱くなり、今を生きることに共感できた時間に感謝したい。
完成披露試写会にて