mimi

春に散るのmimiのネタバレレビュー・内容・結末

春に散る(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

原作未読で、TAMA映画祭にて鑑賞しました。
全体的に展開が速く、所々駆け足に感じる部分もありましたが、本作のメインであるボクシングシーンは拳を握り締めて魅入ってしまう程の迫力がありました。

中盤、仁一の病室に来て最後の試合の事を話すシーンで、「俺の親父になってくれよ」という翔吾の口から溢れた本音と、それを聞いた仁一の嬉しそうな顔がとても印象的でした。

中西との世界戦のシーンでは、映画を観ているというより、本物の試合を観ているかの様な没入感があり、横浜流星さん、窪田正孝さんの気迫に圧倒されました。
試合中にセコンドで見守る仁一の表情と、桜を見に行ってくると告げた夢見心地の様な様子から、彼の最期がこの上なく幸せなものだったのだろうと感じ、少し羨ましくもなりました。

終盤のシーン、翔吾の「再々スタートだな」「わかったよ、走るよ」という台詞と表情にこちらも勇気をもらい、損得勘定や未来への不安で尻込みするよりも、今を全力で生きる事が本当の幸せなのかもしれないと思わされる作品でした。
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