ベビーパウダー山崎

ドン・ジュアンのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

ドン・ジュアン(2022年製作の映画)
3.0
なんとなく黒沢清に寄せすぎた濱口竜介って匂いもしたり。その舞台の内容が日常を侵食していく。演じるということ、お芝居とリアル、人物の立ち位置、男と女の距離を測りながら肉体の触れ合い、探り合い。みな自由のようでコンテンポラリーダンスに繋がる終盤の結婚式は面白かった。ドン・ジュアンありきで弄ばれた女性の復讐のような閉じ方はあまりにも道徳的(今どきな正しさへの着地)。オープニングタイトルが出るまでの音と切り取り方が最もわくわくした。ぬるっと物語が既に始まっている、線ではなく点と点を結びつけて映画が広がる(世界ができあがる)感じがとても現代的な表現。