ベビーパウダー山崎

俺らのマブダチ リッキー・スタニッキーのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

3.5
そして、もうひとりのファレリー(『ふたりの男とひとりの女』ばりに)の新作も見たが、兄弟時代の映画の殆どはピーター・ファレリーが型を造っていたのではないかと思うぐらい完成されている。ピーターの方が七三ぐらいの割合で映画的な才能はあると思う。
しょうもない下ネタとゲスなギャグで好き勝手に暴れていて、もう今さら呆れたりもするが、しっかり笑えたりもするので降参。いまだに動物を使ったドタバタも律儀に入れてくるもんなあ。エアー(ひとり)フェラ、笑ったなあ。バカ過ぎるよ。ウィリアム・H・メイシーが社長役なんだが、喜劇での「The 社長」って感じでほんと最高。
この話の流れでハッピーエンドはあり得ないのだが、ゴリ押しでそれなりに誠実な着地を決めていて、なんかすげーなあと感心してしまった。子ども時代に嘘をつくしかなかった理由(家庭環境)が俺には結構グッと来た。社会から外れてしまった(壊れた)人は再生できるのか、の話。社長の秘書を障害のある女性が普通に演じていたりもして、そういうのも好き。ファレリー兄弟は、どれだけバカでも弱者からの視点で映画を撮っているから信用している。
ある意味ジョン・シナの映画でもあるので、シナマニアは必見。面白いよ。