Ken

猿の惑星/キングダムのKenのネタバレレビュー・内容・結末

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

「猿の惑星/キングダム」

"まだ人間の群れが生きていたとは..."

"エイプ 集まる 強い"

"What a wonderful days"
(なんと素晴らしい日だ)

"本当にエイプは人間と共存できるのか?"

"言葉を話さないチンパンジーに戻れと?"

シーザーの物語は終わり、次の世代へ...
「本当にエイプは人間と共存できるのか」という本題へと続く物語となっていた。


まずはじめに、シーザーの物語の終わり方はこれでいいのか?と感じた。
猿の惑星新シリーズとしてずっとやってきたシーザーの物語。
シーザーがいたから今の喋るエイプ達がいる。
そのエイプの起源とも言えるシーザーを回想で終わらせていたのが気になった。
前作の最後にシーザーは安らかに息を引き取ったが、そこにいたモーリスやノバなどはその後どうなったのかが気になる。
いきなり「その何世代もあと...」っと出た時は正直戸惑いを隠せなかった。
シーザーのカリスマ性に惹かれていたこともあり、このシリーズを楽しんでいたのが
メインのないコース料理のような物足りなさがあった。


メイが初めて喋ったシーンと
ラストのノアが鳥の歌を歌いプロキシマスを倒すシーンは鳥肌がたった。
エイプを怖がり、信用していなかったメイが勇気を出し、ノアの名前を呼んだシーン。謎の少女だったメイの秘密に一気に引き込まれるポイントとなるシーンだと思った。
そしてラストのプロキシマスとの戦い。
ワシの一族として物語のメインとなったノアが最後はワシを操りプロキシマスを倒したシーン。ワシに舐められ、父にも褒められることなく、どこか未熟だったノアが、一族を取り戻すために1人で旅をし、成長した成果が詰まったシーンだった。


約2時間30分の映画だが、それ以上に長く感じた。
退屈だとかつまらないということではなく、良い意味で意味のないシーンが多めで満足感を多く得ることができた。
ノアが1人旅をしている時の自然や、人間の文明の痕跡など、風景のカットが多く入っていた。
IMAXで観たということもあり、とても綺麗で鮮やかな画になっていた。



結末はエイプと人間の共存に難色を示す終わり方だった。
ノアは人間を信じたのに、メイは最後までエイプを信じていなかった。
いや、最後は銃を持ちながらもノアを撃たなかったから心境に変化があったのか?
どちらにせよ、円満に別れたという感じではなく、人間は人間の世界をとりもどそうとしていたので、争いが待っている未来しか見えない。


シーザーがいないのは寂しかったが、最初の長老として、伝説的な存在になっていたのは良いなと思った。
シーザーが伝説的な存在となっており、シーザーが説いてきた教えは間違った形でプロキシマス達に伝わっていた。
・エイプはエイプを殺さない
・人間との共存
この二つをプロキシマスは心得ていなかった。
しかし、正しく教えを受け継いでいたラカもいなくなってしまう。
最後にはシーザーを詳しく知るものはいなくなり、完全にノアとメイの物語へと続いていった。

そしてラストのノアとメイの会話。
これが良かった。
拳銃を隠し持ちノアの元へ訪れたメイ。
そんなメイにノアは問いかける。
「シーザーが目指していたエイプと人間の共存は本当にできるのか」と。
元々は人間の世界だったと主張するメイに更に「言葉を話さないチンパンジーに戻れと?」と問う。
映画の始まりとは違うエイプのように感じるほどノアの成長と今後の物語のテーマを感じ取れるシーンだった。
シーザーの意思を継ぐわけではないが、エイプと人間の未来について意識をおき考えている点はシーザーの面影があった。


○まとめ
2時間30分をふんだんに使い、猿の惑星新世代を存分に楽しめる作品だった。
ノアという魅力的なキャラクターとまだまだ謎の多い言葉を喋る人間達。
様々な要素が今後の展開を楽しみにさせてくれた!(続編あるかは知らないけど)
個人的に好きなシーンは天体望遠鏡のシーン。
人間が残した文明の一つ。ノアにとっては地球だけがこの世だったのに、宇宙という無限に広がる世界を知ったシーン。
覗いて見えた"それ"を理解できたかはわからない。が、ノアの中で何かが変化したのは明らかだった。

多くは語らない作品だが、観ていて楽しいシーンが多くある映画だった!!
ノア達ワシの一族とラストシーンのシェルターに残っていた人間達など続きが気になる!!ぜひ!続編を!
Ken

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