旧作も好きだし、最近観た前3作が面白かったので楽しみしていた作品。
少し霧がかった山など、映像がきれい。
肉感というか、質感も手触りが感じられるようだし表情も細かくて好き。
言語能力の発達と感情や思考のきめ細やかさのバランスには、少し違和感もあった。前作では感情表現に独特の工夫を感じ、人間との微細な異なり方にヒリヒリとし憧れたけれど、今回はそれが感じられなかった。言語を獲得し始めたエイプのリアルなんて知らないので、勝手な思い込みかもしれないけど、人間との微妙な差異がそこにあったと思う。
どうも全体的に、見たことのない、とか感じたことのない何かが足りない。
エイプに人間の歴史をなぞらせてもどうも嘘くさい。エイプはエイプの創造力を持っているはずだ。
廃墟も森の家にも今さら目新しさは感じられず、荒廃した地球なのか、再生していく自然や繁栄するエイプ文化なのか、焦点を定めて深掘りしてくれたらもっと面白かった気がする。
2017年の前作と1968年の第1作を将来的に繋ごうとしているのかはちょっと分かりかねた。
そうだとしても、別の世界観になることは私は全く構わない、制作年代も違うから。
ストーリーのダイナミクスが削られたのは、前作からの引き継ぎ及び次作への橋渡しを意識し、役割に生真面目すぎた弊害なのかと思った。
正直『ゴジラ×コング』と足して2で割りたい。
もっとはっちゃけて欲しかった。
でも次作も楽しみです。ノアの成長に掛かっている。何ならもう平和に仲良く共存してもいいと思う。絶対ないけど。つかず離れずルールに則ってお互いを尊重し合う世界を映画の中だけでも見たいものです。