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猿の惑星/キングダムのmatchypotterのレビュー・感想・評価

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)
3.9
“Kingdom of the Planet of the Apes”。

前作までをおさらいしようかと思ってたけど、『名探偵コナン』『ゴジラ×コング』など“ご長寿の映画”系のおさらいが立て込み、これはもう過去の記憶を頼りに飛び込みで。

にしても、これと『ゴジラ×コング』がGWを挟むぐらいの期間で公開してて、洋画ファンは大忙しではないか。

というか、予告編がどちらもドスの効いた迫力満点の類人猿がモサモサいてちょっと似てる。
ひょっとして『猿の惑星』、先陣切られた『コング』に喰われて、『コング』の予告編だと思われてやしないだろうか、とか、余計な心配、、、。


もはや最初の話が何年前か、みたいな経年がもうよくわからないほどの時代背景。

かつて人間が作ったウイルスが猿の知能を飛躍的に向上させたことで人類と類人猿の衝突に発展する『猿の惑星』。

その起源となった類人猿側の初代のリーダー、“シーザー”。
その“シーザー”を知らない村で育ち成人式っぽい節目を迎える猿、“ノア”。

しかし、その“ノア”の村に彼らが“エコー”と呼ぶ人間が迷い込んだことで大きな力の波に飲み込まれていく。

かつて、人類と共存を目指し猿たちを率いた伝説のヒーローのように伝わる“シーザー”。
だがしかし、その“シーザー”の教え、功績、足跡が、何やら歪んでいっている。

そんな歴史の積み重ねにより、過去の事実が歪曲していく様を描く。
この辺も、ある意味、“人類っぽい”。

しかし、ノアはシーザーの存在自体を知らずに育ったために、生まれてからここまで人類は食い物を荒らす下等な動物ぐらいにしか思っておらず、人類との歴史も何も知らない。

そんな歴史や政治や争いを知らない点でフラットな視線のノアが、人類の存在を知り、過去を知り、新たな猿の王国を目にする。

そこでノアは何を思う。ノアは“何と戦うのか”。

かつて人類との共存があったこと、様々な建造物や文明的な発明、言語、書物は人類が創造しているということ。

迷い込んできた人間の女の子と出会い、色々なことを知りながら、“シーザー”と“シーザー”の歪みを知る。

人類には人類側の存亡をかけた生きるための都合もあり、猿も同じく。

猿側は数も増え、新たな文明を築き、人類を敵とみなして外敵を駆逐したい。
人類側はそんな脅威からかつての文明を取り戻し抵抗し再興したい。

その狭間で、揺らぎ、混沌の中から自分の生きる道を見つけようとする新たなリーダーの話。

前のシーザーしかり、今回のノアもリーダーシップというか、アイドルでいうところのセンター的な存在感が良い。

表情も言動も、明らかに他の猿よりも抜きに出たタレント性というか光るモノがある。
このシリーズはそういう描き方がとても秀逸。

メキメキと、でも、悩みや葛藤もあり。
そもそも何を信じて良いかわからないところからどこかに進まないといけないという起源的な選択をする重要性を背負う存在。

猿たちの所作やコミュニケーションや習性。
このシリーズを観ると、独特の世界観に飲み込まれる。

猿側が文明の進化を望んでいるが、進化を望んだらいつか人類になるんじゃないか、という疑問はともかく。

数が集まり、組織と権力が発足するとどちらも同じ道を行くという皮肉というか真理の中で、猿と人類の岐路を描く骨太な作品。

“イーグルサン”、カッコいい。鷹を腕に乗せてみたい。

※24年3月、映画オススメブログ、始めました。
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作品単発のレビューはここでやっているので、こちらは企画記事メインに挑戦したいと思います。
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