イチロヲ

実録・元祖マナ板ショーのイチロヲのレビュー・感想・評価

実録・元祖マナ板ショー(1974年製作の映画)
4.5
絶大な人気を誇っている天才ストリッパー(夕月マコ)が、レズビアン・ショーの相手役となる少女(山科ゆり)の傷心を汲み取りながら、粛々と仕事を遂行していく。ストリップ一座の一蓮托生をセミ・ドキュメンタリー調に描いている、日活ロマンポルノ。

出演女優のうち、助演の山科ゆりだけが女優経験者であり、それ以外の全員が現役ストリッパー。撮影当時のストリップ小屋の空気感と妖艶なパフォーマンスが濃縮されているため、資料的価値を見いだしながら鑑賞することができる。

舞台上の本番行為「まな板ショー」を題材に扱っているが、異性との性交ではなく、当時としては珍しかった同性とのレズ・ショーが主軸。虚実不明瞭の状態に陥ってしまう常連客(風間杜夫)のシークエンスが、絶妙なアクセントになっている。

主演女優・夕月マコの素人臭さ(一部の台詞は中川梨絵が吹き替えているらしい)が、リアリティ溢れる綻びを生んでおり、「舞台上で両性具有へと变化するストリップ嬢」という、稀有なキャラクター像の構築に成功している。
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