・ジャンル
スラッシャー/コメディ/ダークファンタジー/ドラマ
・あらすじ
父の死以来、母バーバラと3人暮らしの女子高生シエナと中学生のジョナサン
それぞれ不安障害や亡き父への複雑な感情を抱えつつも一家の暮らしは平穏な物だった
しかしハロウィンを目前にしたある日、事件は起きる
ジョナサンが強い執着を見せていた“マイルズ郡のピエロ男”と呼ばれる死んだはずの殺人鬼アート・ザ・クラウンに絡む事である
姉シエナは悪夢で彼に襲われ火炎放射を受け、目覚めると実際に火事が発生
更に彼女とジョナサンはそれぞれ現実でもアートとピエロ姿の不気味な少女に遭遇
そして亡き父の残したスケッチの中にはアートの姿や関連する事件の数々の記事が…
それを受けて惨劇が再び起こる事を予期するジョナサンを他所にシエナは友人とハロウィンパーティーに出掛けるが弟の予感は的中してしまい…
・感想
悪趣味な殺人道化師アート・ザ・クラウンを描いたスラッシャー映画の怪作「テリファー」の続編
日本では昨年公開の話題作で内容は事件の1年後を描いた物となっている
1作目以上にひょうきんな振る舞いで人間離れした殺戮を繰り広げるスラッシャー版マスクかの様なアートのキャラが強くなっていてゴア描写も相変わらず絶妙に痛々しく基本的には最高!
ただ前作終盤で示唆された彼の人ならざる者としての側面を押し出し過ぎていた点とシエナ達の亡き父が残した剣や道化少女が化ける前に殺されたとされる移動遊園地のお化け屋敷などダークファンタジー性が強化されていた点などはちょっと蛇足かな…
特に謎は解明されないし
家族間の衝突や愛などのドラマパートに尺を割き過ぎていたのも元来の拷問ポルノ的な良さを薄めてしまっていた気がする
結果として全体の尺もかなり長くなっていたので…
そういった点を除けばふんだんに詰め込まれた身体破壊を心ゆくまで楽しめる名作なだけに惜しい
とはいえダークファンタジー要素は悪い事ばかりではなくシエナお手製の仮装も相まって「死霊のはらわたⅢ」みたいなヒロイックに変化していくキャラクター性などは魅力的
ラストの1年前唯一の生還者ヴィクトリアが生首出産するシーンもとにかく悪趣味でかなり良かった
あとは前作であったウンコ描写もあれば言う事なかった(B級人外スラッシャーの迷作「ノクタ」を思わせる経血噴射はあったけど)
とりあえず次回作がどうなるか楽しみ