MasaichiYaguchi

君に幸あれよのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

君に幸あれよ(2022年製作の映画)
4.0
俳優で写真家の櫻井圭佑さんがオリジナル脚本で撮り上げた初監督作品は、債権回収などの裏稼業に生き、過去にトラウマを持つ真司と不思議な青年・理人との出会いによって起こるドラマが熱く展開していく。
巷では狂犬と呼ばれて恐れられる真司は、過去に大切な弟分を亡くしたことから、人に興味を持つことを避けて生きてきた。
債権回収などの裏稼業で生計を立てていた彼は、或る日、理人という不思議な青年の世話を任されることになる。
理人と一緒に過ごすうちに、彼は次第に穏やかな日々を取り戻していく。
しかし、真司の過去の過ちが原因で理人が事件に巻き込まれてしまい、それを切っ掛けに真司の心に再び激しい思いが湧き上がってくる。
新型コロナウイルスの感染症対策を「5類」にすることが決定し、ガイドラインも見直されて行動制限も大幅に緩和される筈だが、物価高騰で未だ閉塞感を覚えている方々はいると思う。
真司と理人は全くタイプが違うが、夫々過去にトラウマを持ち、孤独を抱えて歩んで来た2人が出会ったことで良い方向へ変化が訪れる。
終盤で起きた悲劇の先にあるもの。
その先にあるものが描かれた最後の最後のシーンで、初めて本作タイトルの意味が心に温かく伝わってきます。