ユキノナーニー

はこぶねのユキノナーニーのレビュー・感想・評価

はこぶね(2022年製作の映画)
4.5
『#はこぶね』
8/4(金)&5(土) @テアトル新宿
 
【#田辺弁慶映画祭セレクション】 #弁セレ

★2023年劇場鑑賞160本目

《感想》
自分の「最推し役者」#木村知貴 様が、
手描きのバス停で、白杖ついて座っている
ポスタービジュアル見た時点で、
贔屓目でなく心持って行かれていた。
醸し出されている雰囲気がたまらなくて😢

大きな事が起こる映画では無い。
とある小さな漁村で生きる
〈途中失明〉の元漁師の西村芳則。
西村を木村さんが演じているのだけど、
白杖手に港町歩き、生きている。

そこへ中学の時、近所で一緒に登校していた
同級生=東京で小さな役者している大畑
(#高見こころ)が里帰りし、偶然出会う。

大畑とのやり取りや、
#愛田天麻 演じる金髪の漁村で仕事する若い女は、西村と仲良くもしながら、
下の処理したりもしている。
(愛田天麻さんが「弁セレ前夜祭」で
目の前で明るくトークしたり、
テアトル新宿でロビーにいたりする彼女と、
演じている役があまりに素晴らしく違い、
少しの役なのに引き込まれた!)

木村さん演じる西村は目は見えないが、
そこに生きて存在し、
そこに生ける人々とやり取りしながら、
見えない目で確実に色々を見ている。
白杖を突いてのその佇まいがたまらない。
見えないハズなのに見えている目がたまらない。
一応、盲目の西村の生活の面倒みている
叔母役の #内田春菊 様

認知症進む祖父役の #外波山文明 氏の存在感も
脇役ながら凄い!
西村は関わりながら「見え」やり取りしている。
叔母を拒絶したり、
祖父に優しかったり…
とにかく木村さん演じる西村たまらなかった。
木村さん演じる西村からは海の匂いがした。
出演者も、皆素晴らしい!

西村がコンビニ弁当の親子丼なのかな?
二重になった入れ物、手がずれ1段目の具を
ほぼこぼしてしまい、
2段目のご飯に残った汁をチョッとだけかけ
食べるシーンで落涙してしまった。
静かでも凄いシーンなので、頭に置いて観て欲しい!

静かな映画でありながら、
盲目の西村の「生きている」「見ている」
を脚本で書いて、
描いている #大西諒 監督の手腕も凄し!
映画は賞取り合戦では無いと思いながらも
昨年2022年【#田辺弁慶映画祭】でグランプリ×観客賞×俳優賞(主演=木村知貴)で…、
TAMA NEW WAVE 含め6冠も納得である
但し本当に静かで細やかな映画であり、
心惹かれずにいられないのが凄い。

初日観て、西村の「生」を…木村知貴の演じる姿をジックリ堪能したく、
2日目も続けて観に通ってしまった。

2日目ゲストが木村さんと懇意であって、
毎度辛口が可笑しい今や大監督の
#瀬々敬久 監督が
「木村は本作でイイ人ぶっている!」に、
木村さんが「僕は本来この主演の西村に近い人物なんです」の応酬に爆笑させてもらった。

静かでも強く訴えて来るモノ、「生きる」が
描かれている傑作なので、
まずは #弁セレ で8/10(木)迄だが、
ぜひ多くの人に届いて欲しい映画である!

お願いだから、観てください!

本当に
#映画好きと繋がりたい 映画です✨

あっ、タイトル『はこぶね』の意味、
大西監督にお訊きしないままだった…
(ドコからつけたか知りたい!)