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同じ下着を着るふたりの女のトモヤングのレビュー・感想・評価

同じ下着を着るふたりの女(2021年製作の映画)
4.0
………いやっアカンでしょ。

と思わず軽度の潔癖症のきらいがある自分としては冷静にツッコんでしまう挑発的なタイトルに先ずは目がいきがちながらも、いやぁ~面白かったですね!
【名は体を表す】じゃないですけども、その挑発的なタイトルが総てを物語っているかの観ていて感情を揺さぶられまくる痛切なまでの《母と娘》による異形な愛情表現?を描いた素晴らしい映画でしたね♪タイトルも《母と娘》ではなく《ふたりの女》っていうのが……クウゥ~確かにねっ!という感じで。

まだ若い頃にシングルマザーとして一人娘と向き合う事となり一人の女としての幸せを脇に娘を育ててきた母親にとって娘とは無条件に愛してやまない存在というよりも、色々な感情が沸き立ってしまう存在でしかないのかもしれませんね……って自分44歳独身のオッサンなんで難しい事分かりませんけど。
そしてそんな母親からの暴力に対し顔色を窺いビクビクする事しか出来ず母親からの普遍的な愛を享受する事なく育てられてきた娘からしてみたら母親という存在は憎しみや敵意に愛情といった感情がごちゃ混ぜになった存在なのでしょうね。

そんなこんなで愛情に飢えたまま大人になってしまった娘としては人との接し方も儘ならなず、ましてや他愛の無い優しさに触れてしまったらば途端に相手との距離感が分からなくなってしまい……という同僚の女の子とのやり取りは切なさと悲哀が滲み出ていてスゴく良かったですね。なんかそういう事ってあるよな~って具合で。

とまぁそんな登場人物達の心の機微を繊細且つ大胆に描いた愛しさと切なさと心強さとが三位一体となって押し寄せてくる最後まで見応えアリな良作でした♪

しかしやっぱ同じ下着はなぁ……
せめて靴下なら……

いやっそれもアカンでしょ。(←軽度?の潔癖症)
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