みむさん

エブリワン・ウィル・バーンのみむさんのレビュー・感想・評価

3.8
ファンタスティック・フェストにて。

面白かった。こういうの好き。
息子を失い夫と離婚し、喪失感と孤独に浸るマリアホセに訪れた奇妙な出来事。

超自然スリラーと宗教スリラーのミックス、突然現れた少女ルシアの不気味と可愛いの中間の佇まいと演技が絶妙。

息子を失って以来、母性も日常を楽しむ感性もなくなってしまったマリアホセの幸せが再来したようにも見えるが、ずっとイヤな雰囲気は漂い続ける。

これってもしや?と予想どおりの事も起きるが、それ以上に後半の人間の醜態丸出しの街のカオスが面白い。
過去の事件、預言、火炙り、真新しくはないが見所は何度もやってくる。
小さな街の歴史と過去と怨念が惨事を引き起こす。罪悪感、喪失感、人間の醜さと硬骨さにつけ込んだ悪魔の話だと思う。

善悪の立場も皆不安定、誰がまともなのか、誰が狂っているのか、緊張感続く終盤からそっちに行くのかと。
終わってみれば悲しいファンタジーとリベンジスリラーの中間という感じ。

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