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M3GAN/ミーガンのuyのネタバレレビュー・内容・結末

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

おもちゃ会社で働くジェマは、事故によって両親を失った姪・ケイディの良き友達として自らが開発したAI人形「M3GAN(ミーガン)」をそばに置く。だがケイディを守るために次第にミーガンは暴走していく───

ホラー映画を映画館で見るのは初めてなので耐えられるか少々不安だったが、(内容自体そこまでキツイものではなかったのもあって)意外といけるな、と。内容に関しては事前の評判で期待し過ぎていた節はあったが、超高性能AI人形の不気味さや暴走といった求めていたものを観れたので概ね満足。ただいくつか残念なポイントがあったのも事実で、手放しに絶賛というわけにはいかないかな。具体的には

・導入が長い
・画面の面白さを求めて入れたであろうシーンがミーガンのキャラと噛み合っておらずノイズとなっている
・最後の「恩知らずのクソガキ」的なセリフ

あたりが残念なところではある。
2つ目はPVにもあったダンスシーンなんかが顕著で、機械であり効率重視なミーガンがそんなことするか?と没入を削がれてしまった(CEOを油断させるため、とか強引に理屈づけることはできなくもないけど)。3つ目に関しては完全に自分の好みの問題ではあるけど、ミーガンには最後までケイディの庇護者であろうとして欲しかったなというのがある。
ただ気になる点といえば本当にその程度で、ミーガン役のエイミー・ドナルドの演技は未経験とは思えないほど素晴らしかったし、中でもケイディとミーガンのドラマパートはミーガンがケイディに寄り添う姿に感動しつつもこんなこともできるという事実に恐ろしささえ感じられた、本映画で一番好きなシーン。

chatGPTやMidjourneyなどの生成系AIの発展が世間で騒がれている昨今を考えると、この映画の出来事は全くの絵空事ではなく極めて現代的なテーマを扱ったものであり、どこか他人事には感じられない。いやいやここまでなるのはまだずっと先の話でしょと思うかもしれないが、半年と少し前、chatGPTが出る前も私たちは同じことを思っていたのを考えると、それは楽観的な推測だろう。そんな時代の真っ只中、一番いいタイミングにこの映画を観れたことは幸運なんじゃないかと思う。
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