Kid Cudi主体で作られた本作は、アニメーション映画というより、新しい形のビジュアルアルバムと言える。モロに『スパイダーバース』の影響下にあるアニメーションだが、トリップしたような浮遊感と自由な色合いに惹かれる。
主人公はKid Cudiの分身ではあるが、彼ではない。ブルックリンに住むコミックライターのジャバリが、とある女性と恋に落ちる。ただそれだけの内容だが、その捻りがなさがこの作品のアートスタイルを際立たせている。まぁアニメーションに内容が食われてしまっているとも言えるが。あと、若干無駄にカクツキすぎかなとは思うけど。
ただ、正直Kid Cudiを知らなくても、アニメーションとそのスタイルだけで楽しめるだろう。こういうスタイルはアクションだけでなく、こういう日常を描くのにも向いていることに気付かされたというのが大きいかな。