このレビューはネタバレを含みます
テキサス州の田舎町。ヒッピー崩れのシングルマザー、レスリーが19万ドルの宝くじを当てて大ニュースとなった。13歳の息子ジェームズのために家を買うなどインタビューで答えて有頂天のレスリーだったが…結局カネは全て酒に消えてしまう。彼女は重度のアルコール中毒だったのだ。
6年後。故郷から離れた場末のモーテルで、家賃の払えないレスリーが部屋を追い出される。ホームレスとなってしまった彼女は、もはや都会に出て自立しているジェームズしか頼れない。なんとか彼のアパートにたどり着いてベッドを貸してもらうが、泊めてもらう条件の「禁酒」という約束を秒で破り、しかもジェームズのルームメイトのカネを盗んでしまい息子にも愛想を尽かされてしまった。結局テキサスに戻り、昔の仲間であるダッチとナンシーが住む家に転がり込むレスリー。だが、酒をやめないレスリーにキレたナンシーに２日で締め出されてしまう。再びホームレスとなったレスリーは、酔っ払いながら寂れたモーテルの庭で野宿する羽目になるが、翌朝、管理人のスウィーニーに見つかり追い立てられてしまい…
「トゥ・レスリー」
以下、どうせネタバレ代に消える。
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こないだのアカデミー賞主演女優賞ノミネートを決める際、キャンペーンのやり方に問題があったのではと言われた作品。主演のライズボローさん、女優仲間の人脈が広いために単にプロモーション戦術が上手く行っただけなのかな…くらいに思ってましたが
いや、観て驚いた。本当にオスカーノミネートの価値がある名演でした。本当にクズな母親がそこにいました。同情が全く出来ない自己中な言動、恩を仇で返す態度の連続に腹立たしい思いで観ていたのに、スーツケースが戻ってからの再生ぶりが爽快で、スウィーニーの優しさにもグッときて、ラストは気持ちよく泣いちゃったな。確かにご都合主義だけど、この手の映画で絶望エンドばっか見てきたから、たまにはこういう〈ザ・ハッピーエンド！〉てのも悪くはない。ナンシー役アリソン・ジャネイの演技的援護射撃もあって、アンドレア・ライズボローがめちゃくちゃ輝いてみえる一本。オススメです。
