ヤベヒロシ

To Leslie トゥ・レスリーのヤベヒロシのレビュー・感想・評価

To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)
3.7
宝くじに当たった女が酒におぼれ、その顛末。

上映時間中のほぼ9割近くが地獄の底のようにグダグダで、ひたすらにクズな映像で、どうしようもない主人公に頭を抱える展開、観たことをかなり公開したのだが、
ラストのカタルシスには、抑圧的だった9割からの爆発、静かな展開ながらどうしても涙が止まらなかった。鑑賞中にさんざんフラストレーション貯めこんだ後だからこそ、最後は鑑賞者の心の動き方は大きくなるだろう。

正直、全体的な展開はありがちといえばありがちなんだろうが、その配分は斬新というか、起承転結でいうなら起承で9割5分、転結を残りの5分(ぶ)くらいで描く展開。
頑張っていればだれかが見てくれているのかもしれないが、それにはそれ相応の贖罪が必要でといったところで、終わってみればこの流れでいいとも思えた作品だった。

人生の夜明けはみじめであたたかい。
この作品のフライヤーにも書いてあった言葉だが、本当にその通りであって、この作品を見事に表していると思った。
ヤベヒロシ

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