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To Leslie トゥ・レスリーのみやびのレビュー・感想・評価

To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)
4.1
一攫千金からアルコール依存、それに纏わる心の葛藤が上手く描かれた作品。

19万ドル(現在の日本円にして約2850万円)の宝くじを当ててハッピーな未来を送れたばずのシングマザーが、当選金を酒に使い果たし、人生急転直下。

アルコールに溺れ、アルコール依存症となり、ホームレスに。そこから人生の再起を図る物語。


実は僕自身、お酒を完全にやめ、いわゆる『断酒』をしている。現在継続448日目。

夢があり、日々のパフォーマンス向上や時間捻出を目的に断酒を始めたが、過去には問題行動もあり、アル依、つまりアルコール依存症だったと思われる。なお、医師の診断は受けていない。

厚労省によると、潜在的なアルコール依存症の人は日本に57万人、世界では2500万人もいるとされる。

そんなわけで、世界的なアルコール依存問題、そして、個人的にも他人事とは思えない内容に胸をえぐられた。


アルコールに溺れる主人公に対する周囲のあわれみの目、そこから脱出できなくもがく日常、家族との関係性、差別問題などの描写がリアル。

ラストは、じんわりくる。
鑑賞後感が爽やか。

現実、そんなに上手くいくことばかりではないと思うが、なにか勇気や希望が持てる作品。
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