ミルクボーイよろしく、「こんなんなんぼあってもいいですからね！」と思える良い映画。
宝くじが当たった人の悲劇にも思える転落は聞いたことがあるし、自分を見失うこと自体はそこまで責められないよなと思う。
しかしレスリーの落ちぶれ具合はなかなかのもので前半は思った以上に有害だったので家で観ていて「おい」「うわっ…」と声が出た。
彼女が悪人ではないこと、こんなハズじゃなかったという彼女の主張も勿論分かる。
しかしここまで刺さる「君の人生がしくじったのは君のせいだ」という台詞はハッとさせられた。
誰が何を言うかだと思うけどこの人に言われたら…といった感じで本当に刺さる。
シンプルながらかなりのパンチラインであった。
映画でバレる？バレない？みたいなサスペンスはよくあけど本作は呑むの？呑まないよね？呑んだ？というサスペンスも発動。
そう簡単にやめられないから依存症なのだ。
映画内のアルコール描写が好物な自分には堪らなかった。
余談だが子供の頃ドラマで観たアル中描写で印象的なものは多い。
『家なき子』で酒買ってこい！と殴ってくる内藤剛志。
キムタクと浜ちゃんがW主演の『人生は上々だ』で酒を断ちアルコール依存症から立ち直ろうとしている最中の浜ちゃんをボコボコに痛めつけ無理矢理に酒瓶を口に突っ込んで飲ませるのがこれまた内藤剛志でトラウマだった…
映画の話に戻ると自分はこの映画好きだし涙したけれど観賞後結構モヤモヤもした。
他者の存在が再生のきっかけになるというのは現実にもあると思うけれど結局は男女の恋愛感情によって回収されているようにも見えたので良いんだけど少し古いように感じた。
