キャサリン子

イヴの総てのキャサリン子のネタバレレビュー・内容・結末

イヴの総て(1950年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ある日、新進女優イヴ・ハリントンはアメリカ演劇界の栄えある賞に輝いた。だが、彼女がここまで上り詰めるには、一部の関係者たちしか知り得ない紆余曲折の経緯があった。
8ヶ月前、田舎からニューヨークへ出てきたイヴは、ひょんなことから憧れの舞台女優マーゴの住み込み秘書となった。
するとイヴはこれを皮切りに、劇作家や有名批評家に巧く取り入り、マーゴまでも踏み台にしてスター女優へのし上がっていく…。


女同士の妬み嫉みはどこの世界にもありそうだけど、華やかな芸能界となると尚更だろうなぁ。
自分が大女優になるために、今いる女優の地位を奪っていく…一見すると「嫌な女」ですが、私はそうは思いませんでした。
女優になるためには手段を選ばず、常に上を目指して這い上がっていくイヴは「野心を持った強い女性」であり、非常に賢く、冷静で、並外れた度胸もあります。 
その上、美人で華もあり、演技も上手い。
イヴはたしかに汚い手も使ったけれど、彼女があそこまで登りつめることができたのは紛れもなく彼女の努力と才能もあったはず。
私はイヴのしたたかさをカッコいいと思いました。
私にはイヴのような聡明さも図太さも野心も無いから決して真似はできないけれど、あのしたたかさがあればイヴはどんな世界でも生き残っていけるでしょう。
厳しい女優の世界でも。


無名だった頃のマリリン・モンローを見られるという点でも貴重な作品でした。
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