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ナイン・マンスのseapony3000のレビュー・感想・評価

ナイン・マンス(1976年製作の映画)
5.0
「ふたりの女、ひとつの宿命」でははっきりとわからなかったけれどこの作品の主演モノリ・リリは素晴らしい。そしてあの工場長ヤン・ノヴィツキの人物描写が冴えまくっている。簡素な部屋に赤いアウディのポスター貼ってるところからすでにどんな男か薄っすら予想がつく。なんであんな男と…なんて無責任なことが言えるのは関係ない観客だけ。モノリ・リリの流す涙は重い。コツコツ作ってるアイツの家、ついに家族にご対面の場でも口を封じられそうになり、そこでの告白も家族総出で即悪態のタイミングのはやさ、味方してくれるかと思いきやの絶望の幕切れ。「恥じてないだけ」って言葉が熱く刺さる。あの場で男は女を棄てるけど、女はひとりでも産むんだよのラストシーン。何とも言えない吐息や息漏れ、外壁にもたれて悶絶するシーンとかほんとよかった。

教授のオススメの大学の食堂のシュニッツェルと赤ワイン美味しそーだった。
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