まや

ナイン・マンスのまやのネタバレレビュー・内容・結末

ナイン・マンス(1976年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

特集にて鑑賞。
男女のすれ違いや分かり合えなさが描かれているとあらすじを読んで気になって観に行ったが自分には合わなかった。

テーマはすごく好きなはずなのだが、登場人物たちが記号的すぎて、セリフがセリフでしかないなと見ていて思ってしまった。

感情面があまりこちらに入ってこない。キャラクター像も像であってリアルに欠ける印象で、あまり入ってこなかった。

まず、主任の男ヤノーシュがユリに言い寄るの早すぎだし、その無理強いする男性っぽさに辟易しているのに惹かれていくユリもよくわらない。何で一緒にいることになってるのかがずっとわからない。男女が恋に落ちるのに理由など説明的にはいらないとは思うが、なぜだか惹かれ合ってるみたいなのが全然伝わってこない。結構年の差もあるように見えるし、ヤノーシュの会って2日の人に運命の人だとか、結婚してとか、ほんと意味不明だし気持ち悪いなと思った(身体の関係に持ち込むための薄っぺらい口説き文句にしか聞こえない)

ユリも自立している女性として描きたいのはわかるが、結局すぐに絆されてる感じや、1人で生きている時間がほぼない(常に男性が自分の側にいる)からか、あまり自立してる強い女性には見えなかった。何故通信の大学に通ってるのかも謎だし、勉学極めたいなら子供作るのはどうなのかな?と思ってしまう。

2人の言い合いのシーンも互いの向いている方向が全然違うからどんどん噛み合わなくなってくるし、話し合いたいタイミングも互いに違う。どこまでも違う2人なのに、結局キスしてイチャコラしてなーなーになっていってばかりでその辺によくいる互いに異性が自分の生活にいないとダメな人たちが自分のわがままを通してるだけに見えてしまった。

お互いにきちんと思い合っていて、同じ方向を向いていてもそれでもなお、すれ違ってしまう物語が好きなのだが、本作はお互い別に相手のことをそんなに大事にしてなくて、自分のことしか考えでなく、相手も別に誰でもいいように見えてしまった。だから最後の残酷な現実のシーンを見ても、また誰かと同じように繰り返していくような気がした。

だが、最後の出産のシーンすごすぎる。怖かったし、こんなの見たら子供産むの怖すぎると思ってしまった。世の中の人は当たり前にやっててすごいなと思った。
まや

まや